富山・いのちの教育研究会

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カテゴリ:~H24_講演の概要( 23 )

講演概要

自尊感情といのちの教育とがどのような関連があるかについて研究している。

「いのち」とひらがなで書くのは、
人間の存在自体を断片的でなく総合的に広くとらえる
という視点を大切にしているからである。

いのちに関する共有体験によって自尊感情が高まると考えており、
いのちの教育のために共有体験をすれば、
その結果として自尊感情を高めることができるという因果関係を明らかにしたい。

自尊感情とは、人と比べて勝っているとか、優れているという意味ではなく、
自分は自分だと自分を認められる感情だと考えている。
換言すれば「とてもよい」ではなく「これでよい、十分だ」の感情と言える。
いのちの教育では、こうした自尊感情を高めることを目指したい。
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by toyama-inochi | 2007-05-28 12:20 | ~H24_講演の概要
講演概要

前富山県生涯学習カレッジ室長の飯田宗映先生より
「生死(しょうじ)の苦海」と題する講演を拝聴しました。

飯田先生は現在、主として住職を務めることから、
仏教の視点で、以下のような含蓄のある話題について
お話しいただきました。

1, 「生死の苦海」は
 輪廻と同じ意味で、
 自分の行いが原因となって
 六道の冥界に生まれ変わり、
 果てしなく生死を繰り替えすという。

2, 輪廻の反意語は涅槃であり、
 阿弥陀の力で救われる
 絶対の安らぎの世界である。

3. 仏教思想の流れは
 修行者の戒律を守り、
 自身の解脱をめざして修行を積む
 小乗仏教に始まり、
 その後大乗仏教が出現し、
 菩薩の大衆救済の浄土教と
 努力で自身の高揚をめざす
 道元の禅宗を広めた。

4. いのち乃至人間の尊厳は
 自身の自己の人間観を確立するところから
 他者の尊厳も自覚できる。

5. 最近の世相は
 TV番組の無節操さ、夢の無い若者、
 その語彙の貧しさ、物質中心主義、
 人間能力への過信、家庭内の信仰心の軽薄化
 等に危惧感を抱く。

(質疑応答において、
 最近の殺傷事件に関して、
 小動物の命を尊ぶ心や
 学校教育のリーダー性の大切さ
 などの話題が出されました。)
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by toyama-inochi | 2007-05-28 09:24 | ~H24_講演の概要
講演概要

・いのちの教育研究会の使命と課題は未踏の山の登山路を拓くのに似ている。

・未知の教育に取り組むことに、教師は抵抗感があると思う。
 そこでまず、教師論とカリキュラム論の二つについて教育論を考えてみたい

・いのちの教育における教師論としては、
 子どもと共に創り出す姿勢が求められねばならない。
 そして、創り出す過程において拡散を避けるため、
 論理性の保持に努めることがまず肝要であり、
 その上で独善に陥らぬよう妥当性が広く肯定されるような客観性(バランス)
 に配慮すべきである。

・次に、カリキュラム論としては、
 いのちの教育全体についてのマクロの視点と部分についてのミクロの視点を常にもつこと、
 人間工学的な「硬」の手法よりも文化人類学的な「軟」の手法に重きをおくこと、
 演繹的なアプローチよりも帰納的な進め方の方が適していること、
 したがって、個々の子どもの反応をマンツーマン的に観察し、
 収集して得たデータを関係付け、構造化して論点を明確にする手法が効果的であること、
 以上の点に留意すべきである。 

・教育論の最後に、
 この研究においては成果もさることながら
 成果に至るプロセスが重要であることを指摘しておく。
 そのプロセスでは、最初からいきなり完璧を狙うのでなく、
 実践を段階的に進めて洗練の度を上げ、螺旋状に発展させていくことが望ましい。

・以上の教育論の根底には、死生観、人生観が横たわっている。
 現代は科学的理解に最高の価値が置かれている。
 しかし、科学が生命についてわかっていることは僅かである。
 大事なのは生命についてすべてわかることでなく、
 いのちについて常に考え続けることである。
 教師も子どもも、いのちと死に共に真摯に向き合い、師弟同行の道を歩むべきである。

・人間のいのちは、他の動植物の死によって支えられているが、
 そのような人間の存在を考えるとき、
 せめて他のいのちを尊び、守り、育もうという謙虚な気持ちになる。
 私はこれまでの人生の中で、自分自身が生命の危機に遭遇し、
 家族、先輩、友人、教え子との死別を経験してきた。
 先立った人たちを追憶し、死との出会い、いのちとの出会いの微妙なかかわりを考える。
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by toyama-inochi | 2007-05-28 09:03 | ~H24_講演の概要
講演概要

・医師として患者のターミナルケアに関わってきた経験の中から
 二つの症例を挙げて、患者がどのように死を迎えたかを述べる。

・一つは、93歳で亡くなった女性、Tさんの例である。
 一家の大黒柱として働いてきたTさんは、寄る年波に勝てず、
 特別養護老人ホーム「白光苑」に入所した。

 常に、家族のこと、ホームの職員のことを気遣い、最期は安らかな大往生を遂げた。
 それは、Tさんの篤い信仰に支えられてのことであった。

・二つ目は、61歳のとき癌の告知を受け、摘出手術をしたが転移し、
 余命が僅かしかないことを知った知人、A氏の例である。

 家具店を経営していたA氏は急いで閉業の処置をし、
 娘さんの結婚式を早めて父親としての務めを果たすと、まもなくこの世を去った。

 この場合も死の恐怖を乗り越えることができたのは、信仰心によるものであった。

・キューブラー・ロスは、死を迎えるまでの過程を5段階に分けた。
 最後の段階である「死の受容」は、解脱の境地であり、
 そこへ達する手助けとなるようターミナルケアの理念を設けている。
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by toyama-inochi | 2007-05-27 15:22 | ~H24_講演の概要
講演概要

① 生物の死がなかった原始時代の後、10数億年前には、
 有性生殖により遺伝子の伝達を行うことにより死が生まれた。

② 2億5千年前に噴火が多発する低酸素時代となり、
 呼吸を容易にする横隔膜を持つ哺乳類が出現した。

③ 霊長類の中で人間だけが持つ白目は
 自然界の外敵と戦う時に、
 仲間とコミュニケーションを保つために
 連携上仕組まれたものである。

④ 日野原先生は
 医師として患者さんに関わる時間を
 自分の寿命の提供と認識することが大切だ
 と話されている。

⑤ 「食育は、大人が包丁を持てば成功する。」と言う。
 生き物のいのちを食する意識、
 コンビニ食の蔓延について考えを改めたい。

⑥ 家族とは
 生老病死といういのちの世話をする基本的な機能を持ち、
 資格社会とは別に、
 無条件でその存在を認め合う場所である。
 (大阪大学鷲田清一氏)
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by toyama-inochi | 2007-05-27 14:51 | ~H24_講演の概要
講演概要

私は公的病院に長く勤務してきた精神科医であるが、
定年退職後、その経験を生かしてスクールカウンセラーを務めている。

いのち(死)は医学に密接につながる分野であるが、
それをどのような形で教育につないで行くのが適切かは容易な問題でない。

「人間は必ず死ぬ存在」という基本的テーマがある。
最近、タナトロジー(死生学)という学問が脚光を浴びているが、
死をみつめながらより良く生きることを志向する。

総論から各論に入ると、
まず私自身の「死の恐怖体験」から述べる。

一人称(自分)の死を考えることは、
二人称や三人称の死とはかなり異なり壮絶である。
極限状態に近い。

第二次世界大戦中、
ナチスの強制収容所から九死に一生を得たフランクルは
その体験から
「人生の意味ある生き方」として3つの提言をした。

死と向き合った身近な例として、臨死体験経験者T画伯を紹介する。
自己をみつめる「内観法」があるが、
その指導者Y氏の絵から「死と再生」を論じ、
内観療法を受けた患者の絵の変化「再生」に言及する。

最後に、
筆者の中学生に対する講演「これからどう生きるか」で結びたい。
戦後、日本国民が死を乗り越えて生きた生き様を
生徒たちがどのように受け取ったか。
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by toyama-inochi | 2007-05-27 14:28 | ~H24_講演の概要
講演概要

国語科教材と関連して、いのちをテーマにブックトークを実践する。

本を読むという行為は、
本の中の登場人物に自分を重ね合わせたり、
あるいは比べたりしながら想像の世界を楽しむことである。

子ども達はいのちの本を読んでいると「涙が出そうになる」「心が苦しくなる」という。
言い換えれば、
作品の中の他者のいのちを見つめることで、容赦なく心を揺り動かされているのである。

このような読書体験の積み重ねを通して、
子ども達はそれぞれに目には見えないいのちを想像し、
感じ取る力を育んでいくのではないか。
だからこそ、たくさんの本との出会いを作り、
作品の中に誘い込むこと、
そこにいのちを見つめるブックトークの意義があるように思う。
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by toyama-inochi | 2007-05-27 14:16 | ~H24_講演の概要
講演概要

太田友恵氏は、
6年前に原因不明の劇症肝炎になり、
医師からあと一週間の命と宣告されました。、

しかし
家族からの生体肝移植を受け、
一命を取り留めることができました。

太田氏より、以下のようなお話があり、
参加者がそろって感銘を受けました。

① 家族の強固な結束と迅速な決断、
 そして医師の献身的な医療と看護、
 それに対する底知れない感謝の念。

② 助けられた命を、
 苦しい中でも水泳の道に情熱を再燃させ、
 世界移植者スポーツ大会水泳競技フランス大会で
 見事金メダル3個を獲得するまでの心身両面の努力。

③ 自分の体験を語り、
 「この命を役に立てたい」との一心から、
 同じ臓器移植者の人や
 不治の病にあるといわれる人たちを勇気付けたいと、
 同じ心境の人々への強い思い。

④ 16時間の大手術のあと、
 拒絶反応の症状や
 更に9ヵ月後の再手術と危機状態の中で、
 ただ感謝の気持ちを支えに克服された精神力。

⑤ 小学生を前に話した時も、
 いつか辛いことにぶつかってもくじけない心で
 と、 語り続けたい。

太田氏は、今後とも
「水泳指導員として努力し、感謝の気持ちで生き抜きたい」
と話を結ばれました。
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by toyama-inochi | 2007-05-27 14:06 | ~H24_講演の概要
講演概要

国によっていのちの教育に違いがある。

例えば金魚を家庭で飼っていて死んだ場合、
日本では庭の片隅に墓を作って埋める場合が多いが、
カナダではトイレに流すのが通例である。

このような違いを踏まえると、
西欧の文献を翻訳する研究方法ではなく、
別の研究方法の確立が必要であり、
私はいのちの教育は共有体験に尽きると考えている。

精神分析学者の北山修氏の著書に「共視論」があるが、
この考え方を「共有論」にまで広め、
五感を使って共有するいのちの教育が大切であると考えている。

また、子どもたちの自尊感情を高め、
自分のいのちがまず大切であることを伝えることが大切であると考えている。

課題は、
 ①子どもの死の意識の調査、
 ②いのちのイメージの調査、
 ③いのちの教育の実態調査、
 ④授業の実践研究の四つである。

最近は何でも説明して条件付きで子どもに伝えようとするが、
親や教師が子どもに無条件の愛を伝えることが重要であり、
この無条件の愛を伝えることができたとき、無条件の禁止ができると考える。
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by toyama-inochi | 2007-05-27 11:51 | ~H24_講演の概要
講演概要

「命の大切さを教える教育」
篁幸子氏(富山情報ビジネス専門学校・元龍谷富山高校教諭)

①過日の西日本JRの事故について、
 生徒と共に心痛く受け止め、
 人の尊いいのちと死について深く話し合いました。

②真宗の宗門校(県内に2校)は全国にいくつもあり、
 宗教教育では中道を保ちながら、本願寺の方針で、
 1年生は世界の宗教について、2年生はそれを深め、
 3年生は親鸞聖人の生涯について教えています。

③入学時には真宗の教えを守る誓約書を書き、
 年間の式典や、宗教行事に加えて
 日々の朝礼や終礼、授業のあと先きの作法が
 3年間繰り返されます。

④毎年年度初め、教師は
 教えに沿った生徒の指導に多忙な日々を迎え、
 新学期の友達関係や学級作りに際し、
 授業で「四苦八苦」の意味等を教えながら、
 生活相談にも役立てています。

⑤(講師紹介)静岡県下田にある
 「唐人お吉」を葬ってあるお寺に生を受け、
 祖父や父の影響を受け、
 今は宗教人として、またPENクラブの詩人としても
 活躍されています。
 生徒を思い、その心に温かく入り込んで、人の道を教え、
 また生徒の学習意欲を巧みに引き出される等、
 その情熱的な指導の姿に感銘を受けました。
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by toyama-inochi | 2007-05-25 13:26 | ~H24_講演の概要