富山・いのちの教育研究会

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「風の道」の活動を通して

挨拶 稲葉茂樹会長

  去る7月30日に本会の創立30周年の行事に当たってご協力をいただき感謝する。本日はご多用なところご出席いただきありがとう。
  本田先生にはご多用な中、本会の講師をお願いすることが出来たのは、先生をご紹介いただいた「生と死を考える会」の代表の豊原さんで、本田先生は今日まで精神科医としてまた、現在は「自死遺族死別の体験の分かち合い”風の道”(富山)」代表として、さらに富山県心の健康センターの嘱託として、活躍されている。
先生の活動の詳細はインターネットでもとり挙げてあり、その紹介資料をお手元にお渡ししてある。
  今回は自死の問題を取り上げさせていただいた。私自身の体験も過去にある。それは社会に出て間もない頃友人と宿泊した旅館で、夜に客の一人がどのような事情でか、薬物を飲んで、自殺を図った場に居合わせたとき、その患者は救急病院に搬送された場面に出会った。その翌日の新聞の死亡欄に目を通す気にはとてもなれない心境であったことを今も鮮明に覚えている。
  平成10年から13年間 全国 3万人を超えている。この問題はゆるがせに出来ない状況で慢性化させていってはならない。
  先生のお話をお聞きして本会での活動に資する上でも、しっかり静聴させていただきたい。

講演 「“風の道”の活動を通して」
講師  「自死遺族死別の体験の分かち合い”風の道”(富山)」
代表 本田 万知子 先生

  以下に、先生の講演の内容は、スクリーンで表示されたものであり、参加者にも資料として同様な内容の資料が配布された。次に抜粋して表示させていただくことで紹介に代えさせていただきます。

  遺族とは・・・家族のみならず、家族以外の親戚、友人、恋人、同僚なども含み、「自死した人と近い関係にあった人を意味する。そして自死遺族のグループとしては二つのグループが成り立つ。一つは「自助グループ」で自死遺族だけで構成されており、今ひとつは「サポートグループ」で自死遺族以外の人も加わって構成されていて、主に精神保健関係従事者などである。

  私が代表を務める上記の会は平成20年3月に成立した。スタッフは6名で、当事者3名、医師、看護師、臨床心理士のサポートグループである。立ち上げの経緯は、家族を自死で亡くし、富山県心の健康センターに通所していた遺族が、県外でのこの会の活動に関わり、地元でも開催したいと希望したことに始まる。また、相談来所からも他の遺族の話を聞きたいという希望もあり、自死遺族が事務局長に就任し、上記のスタッフでスタートした。

 毎月第3土曜日の1時から3時まで、富山市丸の内2丁目の桃井ビル3階に事務所を置いてカウンセリングはしないが電話相談に応じている。

  風の道の会の約束事は  1.秘密厳守で匿名での参加も可能。2.教えたり、諭したり、指導したりしない。参加者はあくまでも同等な関係、3.悲しみ比べをしない。4.話したくないなら話さなくてもいい。5.個人的な質問はしない。6.営業、布教、政治活動はしない。7.惻隠の情を持って場に居合わせましょう。の6項目としている。
  目標としては「参加する人の喪が少しでも穏やかになりますように」としている。

  遺族になると出てくる様々な反応や言動は、決して特殊なことでなく、「人間が特別な事態に遭遇した時に起こりうる自然な反応である。

  遺された人々の心理は・・・愕然、茫然自失、疑問、怒り、離人感、他罰、記憶の加工、否認、歪曲、自責、原因の追究、抑うつ、不安、周囲からの非難、二次的トラウマなどの
状態に陥りやすい。

  自死を身近に経験するということは・生活上の多様な問題(保健医療、心理、福祉、経済、法律)を総合的に抱える。・偏見や誤解を恐れ、人に話せないことから地域や社会からの孤立に至る。・周囲の人の言葉や態度に救われたり、傷つけられたりする。・人の最後のあり方や問題の解決に、自死が入る。などの状態になりやすいので周囲の細やかな気配りや警戒が必要である。

  子どもの場合はとくに影響が大きく出ることがあり、関係するサインに留意する。例えば、怒りっぽい、成績が落ちる、友達を避ける、危険な行動、一人でいる時間が増える。不眠、不安などの変化が見られたら配慮する、などである。

  子どもに対応する基本的なことは「子ども自身の感情を表現させてあげること」で、悲しい時には悲しんでいい。起こりたい時、困った時はその感情をこらえることなく浸らせることである。そして子どもの力を信じる。無理に元気付けようとしないで寄り添うようにすることが基本である。

  心理的な回復を図るには、・信頼できる人に話す。・同じ経験者の存在を知り、自分だけではないのだという気付きをさせる。・専門家による心のケアをする。

 自死遺族への対応のポイントは・悲しみはいつまで経っても癒されないことを知る。・遺族の気持ちや反応を理解した上で対応する。・判断を交えない態度に徹する。・相手の感情を否定せず、ゆったりと聞く。・遺族自らが望む手助けをする。・よりそう姿勢・自然体でいつもどおりに

  遺された人に必要な三つのTとして 「Time」時間 「Talk」会話 「Tear」」涙 がある。思い出すことは大切な供養である。
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by toyama-inochi | 2012-01-18 21:30